2008年11月 5日 13:24
東福寺塔頭 霊雲院
冨田屋の奥座敷の床に、真っ赤な紅葉に彩られた東山にある東福寺の通天峡のお軸が掛けられています。
もう半月もすれば、この絵の様な景色が見られそうです。
(人でもすごいですが!!)
東福寺は俗に伽藍面と呼ばれる程数多くの塔頭があることで知られていますが、今日のてくてくはその一つ霊雲院におじゃましました。
ここは明徳1年(1390)に岐陽方秀により開かれたお寺です。
熊本出身の第七世の湘雪和尚が当時に住職する際、藩主細川忠利の子光尚は寺産500石を贈ろうとしましたが、「出家の後、禄の貴きは参禅の邪鬼なり、庭上の貴石を賜らば寺宝となすべし」といい
細川家では「遺愛石」と銘をつけ、須弥台と船造って湘雪に贈られたといいます。
この石が書院前の庭の中心に置かれています。
300年の歳月はお庭をすっかり荒廃させてしまっていましたが、近年重森三玲氏により修復され、本来の面目を取り戻し、「九山八海の庭」と呼ばれています。
又、子書院西側には鞍馬砂や白川砂の砂紋で流れ行く雲の美しさと渓谷から湧き出て大海に帰って行く水の流れを現した「臥雲の庭」も必見です。
歴史的には、幕末に勤皇僧月照と西郷隆盛が、密議を交わした維新の一場面ともなり、日露戦争中はロシア人捕虜の収容施設にもなっていたということです。
(ロシア人達が淋しさを紛らわす為に、ありあわせの材料で手作りしたというバイオリン等の楽器も残されています。)
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