西陣・くらしの美術館 冨田屋
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〔文化庁・平成11年 文化財保護審議会(第4回議事要旨)〕
西陣の歴史と暮らしをいまに伝えて

室町のころより織物のまちとして栄えてきた西陣。
中心をなす今出川大宮は古く「千両ヶ辻」と呼ばれ、1日に千両に値する生糸が動いたといわれるほどにぎわいました。
その由緒ある大宮通一条に、約百二十年前に建てられた田中屋(屋号・冨田屋)は、京町家の中でも西陣の商屋特有の様式を数多く残しております。


冨田屋のれん


明治の香りを伝える商屋

江戸中期から近世末まで伏見で九代両替商を営んでいた冨田屋が、西陣織の産地問屋としてこの地に移ったのは明治十八年ごろのこと。
通りに面した母屋と表蔵は典型的な表屋造りの特徴をもち、明治期の大店の姿をいまに伝えています。
昭和十年に増築された離れは、座敷と応接間、茶室の三棟で構成され、とくに茶室は武者小路千家官休庵九代家元・千宗守氏により「楽寿」の名を頂戴しています。



町家の活用で文化の継承を私度もでは、代々受け継いだこの家を、京都の歴史や文化を伝える建物として保存するとともに、歴代の主人が集めました伝統ある道具・調度類なども展示し、これまで会員の方々のみご利用いただく非公開施設としておりましたが、西陣の暮らしぶりを一人でも多くの方に知っていただきたいと考え、お茶事や文化教室、展示会などの催しにも、申し込み制にてご利用いただけるようにいたしました。
町家をご活用いただき、町衆文化に触れていただくことが、京の伝統継承の一助になれば幸いに存知ます。

お蔵

冨田屋の「寶蔵」には漆が塗られているのですが、独特の技法が使われています。(以下、漆修復を担当してくださった株式会社さわの道玄の大井さんのお話より抜粋)

「…扉のデザインにあわせて、部分的にテクスチャーを変え、高級感あふれた塗りが施されていることがわかりました。今回その肌感を表現するのに用いたものはなんと“豆腐”。漆に豆腐や卵白などのたんぱく質を少量混ぜ、叩くように塗ることで上品な質感を出すことができます。この『しぼ塗り』は刀の鞘などにみられる技法です…」

 

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