2008年10月25日 13:44
動く菩薩様
毎年10月第三日曜日に東山区にある泉涌寺の塔頭、即成院で二十五菩薩お練供養法会が行われます。
ご本尊の阿弥陀如来をはじめ、二十五菩薩が極楽浄土の世界から現世に来迎し、衆生を浄土に導く姿を現した行事で、本堂を極楽浄土、地蔵堂を現世に見立てて、その間に架けられた高さ2メートルの橋の上を菩薩に仮装した信徒たちをはじめとし、稚児や行者等総勢約300名もの人々が来迎和讃に合わせて静々と渡ります。
地蔵菩薩に先導された菩薩様達は舞を舞いながら、稚児や僧侶は散華を撒きながら橋の上を三往復します。
菩薩様に仮装した人たちは、仮面をかぶって前が見えないので介添えの方に助けてもらいながらの行列です。
又この橋には御本尊の阿弥陀様につながっている五色の紐が渡してあり、この紐を握ると阿弥陀様につながるそうです。
即成院は正暦3(992)年に恵心僧都が伏見に建立した光明院を始まりとし、寛治年間(1084〜94)に関白藤頼道の第三子橘俊綱が、伏見に広大な山荘を営んだ折、父頼道に倣い極楽浄土を願って、その持仏堂としたということです。
その後、この地に移ってきました。
山門の上に翼を広げた鳳凰が置かれていますが、これはこの寺が伏見にあった時、父頼道の建てた平等院鳳凰堂の鳳凰と向き合う形で鎮座され、この地に移ってきた今日でも平等院の鳳凰と向き合っているといいます。
もう一つ、この寺は、平家物語、八島の合戦にて、船上の揺れる扇子を弓矢で射抜いた、源氏の武将「那須与一」ゆかりのお寺で、境内には墓もあります。
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