2008年6月11日 14:43
西陣伝統の最高技術で織られた源氏物語絵巻
京都御所の北に位置する相国寺の承天閣美術館で7月6日(日)まで山口伊太郎遺作展「源氏物語錦絵巻」が開催されています。
昨年の6月に105歳で亡くなられた山口伊太郎さんが70歳で一念発起、37年もの歳月をかけて完成された国宝「源氏物語絵巻」の西陣織での復元作品、第一巻から第四巻です。
伊太郎さんは制作開始以来、昼も夜も、食事中も寸暇を惜しんで日常の全てをこの織物の為に捧げてこられたとか。
「元の絵と同じものを作る気はさらさらありません。誰もやらなんだ事を織物組織の醍醐味で.....」
と西陣の千年の歴史が貯えた織技に最前の秘技を加え独自の美意識を貫き、絵画をもしのぐ美しい錦の完成を目指していたと相国寺の有馬頼底さんも絶賛いておられます。
話には聞いていましたが、実際に目の前にしてみると詞書の文字だけでなくその料紙までもが織物で表現されていますし、夏の薄物の装束に下に腕が透けて見えたり、御簾の向こう側の人物が御簾越しに見えたりして感動します。
開催期間が結構長いので時間を見つけて多くの人にぜひこの感動を味わってもらいたいです。
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