2008年4月24日 15:54
町家の大将さんと菖蒲葺
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四月も後残りわずか、いよいよ風薫る五月、端午の節句が近づいてきました。
お茶室の床には葵祭りの一環として五月五日に上賀茂神社で行われる競馬会神事の掛け軸が掛けられ、江戸末期より冨田屋に代々伝わる大将さんたちも蔵の中からお出まし、りりしい姿でお座敷に座っておられます。
端午の節句は今では男の子の節句行事として定着していますが、平安の昔は梅雨の季節の疫病退散を願う行事だったそうで、菖蒲やよもぎ等の香草で作った薬玉を贈ったりし、その薬玉は疫病の進入を防ぐ為部屋の入り口にぶら下げておきました。
又幼い子供達は薬玉に綺麗な紐を通しポシェットのように肩からかけていたとか。
それが時代が移ると共に菖蒲が勝負に置き換えられ、武士や男の子の武運や成長を願う行事に変化してきたのです。
冨田屋では昔から五月五日には菖蒲とよもぎを束ねたものを10束以上作り、それを玄関の軒の瓦の上に並べます。
まるで菖蒲で屋根を葺いたようになります。
これは菖蒲葺というもので、昔の京都の町家ではあちらこちらで見られた端午の節句の風物詩でしたが、今ではほとんど見かけなくなってしまいました。
写真は昨年のものですが、今年も五月五日には朝から冨田屋の屋根に菖蒲が上ります。
(あの有名な狩野永徳作洛中洛外図屏風にも父子で屋根にのぼって菖蒲を置いているところが描かれています)
五月晴れの空に映えてすがすがしい眺めで五月五日限定なので必見です!!
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