田中峰子
2014年7月 8日 16:19
七夕に願いを
西陣では、笹飾りを西陣織の織物で作り上げます。
神様の蔵に、笹と同時に、七色の絹糸を三方にのせて飾り、幸せを祈ります。
京都では、旧暦で言うので、8月に大々的に堀川に天の川を見立てたLEDの飾りがしつらえられ、たくさんの人が集まります。 そんなロマンティックな頃、ふと虚しさを感じるように、「沙羅双樹の花」が咲きます。
〜祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす〜平家物語
お釈迦様のなくなった所の四方に 沙羅の木が2本づつ植えられたことから「沙羅双樹」と呼ばれた花・・・
真っ白な花弁は、透き通るように柔らかく薄い、虚しくも、朝咲いた花は、夜には花の首から落ちて、まるで地面に花を咲かせたような庭の風情。
願を込めた七夕の美しい出会いと、一方では、虚しさを知った時のこみ上げる愛しさみたいなそんな季節が今不思議に思える・・・・・・・
2014年5月 3日 14:09
皐月 (さつき)
「 皐」と言う字は、白く光を放つ。 眩い光を感じる5月ですね。
光に輝く新緑。
又、桜に変わり 菖蒲やシャクナゲ、藤、つつじ、はなみずき ・・・
小さくてかわいい花が、新緑とまじわって、まばゆい光に照らされ美しく輝く頃。
もうじき母の日、カーネイションも忘れてはならないですね。
でも、私は、母子草がとっても好き!
春の七草で、ゴギョウと呼ばれるもので、カーネイションのような華やかさはないけれど、母の優しさを感じるような、くすんだ黄色の花。 ひそやかに陰にそっと咲くようなそんな花です。
母の日は、もう、捧げる人は無い。
どんなことをしても、私を守ってくれた母の愛は、ないけれど、今、子供の幸せをそっと祈る私がいた。
5月に思う・・・・・
2014年3月31日 17:40
しだれ桜
京の名所には 有名なしだれ桜が、必ず植えられている。
今、満開を迎えようとしている。
京都府の府花として、指定されています。
戦後、公募によりきめられたようですが、流れ落ちるようなしなやかな美しさは、京の風情を漂わせています。
柔らかく垂れ下がった花の枝は、繊細で細く折れそうだけれど、風雪にも耐え忍ぶ強さを感じる。
だまって耐え忍ぶ、白い腕のように、京女の底深い強さを象徴している如く、そして、美しくたくさんの小さい花弁がこぼれるように集まって湾曲の壊れそうな枝は、しなってもしなっても何百年と時を待ち、ひと時だけ、人の目を楽しませる。 「花の命は、短くて・・・」女の人にたとえられるが、いくつになっても、美しいしわを刻んだとしても、樹齢何年のしだれ桜のように、年を追うごとに、心の花ビラが増えて、花明りを照らすような京都の女の人に会いたいものでしょ
2014年3月15日 13:16
春がそこまで・・・
京都では、梅が満開で春がそこまで来ているような気配!
誰か 何かが、訪れるとき、必ず音が伴います。
足音や衣擦れの音でしょうか・・・
「訪れ」の語源は、「音を連れる」です。
今、春を待つ私たちは、耳を澄まし自然の音を聞いてみたらどうでしょうね・・・
冨田屋に、珍客が・・・白い椿につがいのメジロが一日中、蜜を吸ったり、水遊びをしたり、鳴き声は「ホーホケキョ」
実は「法、法華経」と唱えているように、私たちが聞いたものです。 鶯ととても似ています。
春の訪れの音は、他にもいろいろありますが、「恋の訪れ」は、きっときっと、胸のドキドキと言う忍び音。
頬を赤らめるような音が聞こえてくるのでしょうね・・・
あなたには、どんな音が聞こえますか?????
2014年3月 2日 18:28
お雛会
冨田屋のお雛会は、3月から4月3日まで・・・・・・
平安時代「ひいな遊び」と言われた、小さい物で遊んだ「ままごと遊び」が、節句の祈りと重なって「お雛会」と変化を遂げていった。 女の子の成長幸せを祈る行事は、家には欠かせない。
代々お雛様が増えて今は100体となって飾られている。
もともと「ほうこ」と言う、人型の簡単な人形を「すべての厄災を受けてくれと・・・」その子の枕元に置いたことが、「雛人形」の始まりである。 江戸時代、人型の人形に衣服をまとわせ、男女1対の「立雛」となり、だんだん美しい段飾りへと移り変わる。 冨田屋には「元禄雛」が飾られる。元禄とは 綱吉の時代「お犬様」と犬をかわいがった時である。犬を引いている「チン引き官女」がいることから、その時代の雛とわかる。
色々な時代を経た雛の眩いお顔は、荘厳にも感じるすまし顔。
大おばあさんにも、おばあさんにも、母にも、私にも、娘にもいろんなことがありましたね。
そのたびに、お雛様が、すべて災いを受け止めてくださいました。
代をつなぐ難しさ、家を守る大変さ、女の底力を与えてくださったのも、あなたのおかげ・・・・・・・
毎年、この時期にお会いして、又、パワーをもらえるます。
五人囃子の音が聞こえ、三人官女のこそこそ話が聞ける冨田屋の「お雛会」は今日も賑やかです。
お雛様 ありがとう・・・・・・すこやかに